クロス取引となる国内株式注文の一部取扱い変更(注文制御)について
当社では、不公正取引の一形態である「他の投資家を誤解させることを目的とした、実質的に権利の移転を伴わない有価証券の売買(=仮装売買)」を未然に防止する観点から、2021年7月17日より、注文の一部について、ご発注を制御する仕様変更を実施しております。
一般的に、同一市場において同一銘柄の売注文と買注文を同一時刻、同一価格で約定させる取引形態をクロス取引といいますが、このクロス取引のうち仮装売買との疑念を招きかねないご注文を、不公正取引の未然防止の観点から、制御させていただくものです。
※相場操縦的行為(仮装売買)の詳細はこちら
なお、クロス取引の全ての注文が制御されるわけではありません。今後、信用取引の期日延長や株主優待の権利取得等を目的としたクロス取引(つなぎ売り)を執行される場合には、@一方または両方の注文の執行条件を「寄成」「寄指」または「引成」「引指」を選択し、A同株数で、B発注間隔を空けずに、発注いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、当社では、SBI証券が取引の相手方となり、お客さまの売却注文(当社買付注文)とお客さまの買付注文(当社売却注文)を取引所の立会外取引としてクロス取引を受け付けております(現物取引のみ)。
※SBI証券が相手方となるクロス取引の詳細はこちら
具体的な発注事例(※寄前・ザラ場(取引時間)中とも同様)
パターン1 事前に「成行」注文を発注している場合
(例)
未約定 | 売り・買い | 執行条件 | 株数 | 判定 |
未約定 | 売り | 成行 | 1,000株 | |
1 | 買い | 成行 | 1,000株 | ×発注不可 |
2 | 買い | 指値・IOC指値・不成 ※指値価格問わず | 1,000株 | ×発注不可 |
3 | 買い | 寄成・寄指・引成・引指 | 1,000株 | ○発注可 |
未約定の成行注文が発注されている状態で、「寄付」「引け」条件が付された注文以外は、発注エラーとなります。
パターン2 事前に「指値」「不成」注文のいずれかを発注している場合
(例)
未約定 | 売り・買い | 執行条件 | 株数 | 判定 |
未約定 | 売り | 指値100円 | 1,000株 | |
1 | 買い | 成行 | 1,000株 | ×発注不可 |
2 | 買い | 指値(100円以上) ※指値・IOC指値・不成 | 1,000株 | ×発注不可 |
3 | 買い | 指値(99円以下) ※指値・IOC指値・不成 | 1,000株 | ○発注可 |
4 | 買い | 寄成・寄指・引成・引指 | 1,000株 | ○発注可 |
未約定の売り指値注文が発注されている状態で、買い注文を発注される場合、売りの指値価格以上のご注文は発注エラーとなります。
また、未約定の買い指値注文が発注されている状態で、売り注文を発注される場合、買い指値価格以下のご注文は発注エラーとなります。
パターン3 事前に「寄成」「寄指」「引成」「引指」注文のいずれかを発注している場合
(例)
未約定 | 売り・買い | 執行条件 | 株数 | 判定 |
未約定 | 売り | 寄成・寄指・引成・引指 | 1,000株 | |
1 | 買い | 成行 | 1,000株 | ○発注可 |
2 | 買い | 指値・IOC指値・不成 ※指値価格問わず | 1,000株 | ○発注可 |
3 | 買い | 寄成・寄指・引成・引指 | 1,000株 | ○発注可 |
ご注意事項
- 上記の条件による発注であっても、@日々の出来高に対して発注規模が大きい注文、A売りと買いの数量が異なる注文、B直前値を変動させる指値での注文など、価格形成に影響を与える注文については、不公正取引(仮装売買)の疑いを持たれる可能性があります。
- 他の証券会社を併用したクロス取引については、同様に不公正取引(仮装売買)と見なされる可能性があります。
- その他、市場の価格形成に影響を及ぼす可能性が高いと判断される取引については、当社より売買動機等について直接お電話にて確認させていただく場合があります。
- 指値訂正や執行条件の変更は、受注制御のチェック対象となり、条件によっては、訂正を承ることができない場合があります。
- 全ての取引チャネルが受注制御のチェック対象となります。
- 現物、信用新規、信用返済が受注制御のチェック対象となります(単元未満株、立会外分売、立会外トレード等は対象外)。
- 逆指値やOCO・IFDやIFDOCOの特殊注文については、市場へ発注される注文条件を基に判定いたします。
また、発注時点で受注制御条件に該当した場合は、「発注(エラー)」となり、市場へ発注されません。