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セミナーでお答えできなかったご質問の回答

ご質問

回答

財政改善の見通しが立たないとなればデフォルトですが、その判断は誰が・いつするのでしょうか?

EUとIMFによる支援条件として受け入れた構造改革計画を遂行できなくなった時、または、その進捗を監視するEU、IMFが支援依頼を拒む事態、即ちギリシャ単独での財政回復の可能性が低いと判断された時、ギリシャ(パパンドレウ首相)自らデフォルト宣言を判断することになるのではないでしょうか。

債務不履行となる時期をどのようにお考えですか?

5月19日のギリシャ国債償還日における支援金の消化のされ方からすると、既にギリシャ単独での資金繰りは相当厳しい状態と判断されます。
EU、IMFの改革計画の遂行具合の検証により、支援拒絶判断が出された時、時間軸は分かりませんが、3ヶ月おきに検証される計画のようですので、さすがに8、9月末(スタートがいつの時点なのかによる)は、短時間過ぎると思われますが、事態が急を告げるようですとそんなタイミングも可能性が全くない話ではないかも知れません。

今現在はユーロの危機が注目されていますが、来年にかけて米国の問題が再度勃発 し、攻守逆転するような事態はどのくらいの確率で考えられますでしょうか?

ギリシャの経済成長は今後厳しくなると思いますが、最悪のデフォルトは、何とか回避するでしょう。国民の事態の深刻さに対する理解が深まるにつれ、犠牲を払ってでも再建を図りたいという気運も高まるでしょう。
ドイツも折角作り上げてきたユーロ圏を放り出すことはまずできず、厳しい条件を要求しながらも支援の継続は果たすのではないでしょうか。
米、中も自国の立場からも、ユーロ圏の維持がお互いの経済圏を維持することに繋がり、支援の手を有効活用しながら、デフォルトによる計算の立たない結果を招くのを避ける協力に出てくることも考えられます。

20分頃に紹介された、ギリシャの内情についての記事を書いたジャーナリストの名前 を再度教えて頂けますでしょうか?

日本で経済新聞社、出版社にて編集者、記者を経験後、2000年からフリー。
2005年より海外取材や翻訳に従事。国際会議の仕事で訪れたギリシャの魅力にとりつかれ、以来、ギリシャに定住なさっている”有馬めぐむ”さんです。

ポンドへの影響はどうなりますか?

ギリシャが債務不履行になった場合、英国の金融機関も再度、リーマン・ショック時と同じく甚大な損失を被ることになり、そして何よりも共通通貨こそ導入していないものの、あくまで欧州連合の一員であり、欧州経済とユーロの混乱は、即ポンド安になりやすいと思われます。

ユーロは存続できないとのうわさがありますがいかがですか?

勿論、その可能性も全く無いと言い切ることはできないでしょう。
ただ、存続を絶った後の、インフラの再構築、ユーロ圏内、圏外を問わず、既存の債権、債務の見直しや再契約など、余りにも複雑で費用がかかることなどを想定すると、苦難ではあっても今のユーロ体制の強化、再生、信頼回復への道を選ぶのが現実的ではないでしょうか。

今現在はユーロの危機が注目されていますが、来年にかけて米国の問題が再度勃発 し、攻守逆転するような事態はどのくらいの確率で考えられますでしょうか?

リーマン・ショックと金融危機、発端はご存知サブプライムローンでした。
市場があのような深刻な事態に突入することが予測し難かったのは、各金融機関が抱えるサブプライムローン絡みのエクスポージャ(資産の割合)が極めて不透明なことが一因でした。
幸い、リーマン以降、各金融機関のエクスポージャの透明性は格段に上がりました。
ピーターソン国際研究所によれば、米国銀行の欧州連合諸国に対するエクスポージャは、1兆5,000億ドルとされています。決して小さい金額ではありませんが、全部がギリシャなどの危険度が高くなってしまった相手先ではないはずです。
リーマン・ショック後にきて体力が落ちているところへ、またこの転移しそうな病根が見つかったのは恐怖ですが、リーマンのあと2年ほどでまた、瀕死状態になる事態へは、世界すべての人々が回避への協力を惜しまないと思いませんか。