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セミナーでお答えできなかったご質問の回答

ご質問

回答

金利が上がると、債券はどうなるという関係はありますか?

金利が上がれば債券価格は低下します。逆に金利が低下すれば債券価格は上昇します。

円安に向かえば向かうほど日本株が上がるということですか?

日本株、日本経済への寄与度から本邦輸出企業は無視できません。輸出企業にとって円安は収益増につながる為、株価が上昇しやすいと言えます。
又外国人にとって、円安であれば安く株が買える(株価が同じでも外貨ベースで安くなる)ので同様な関係となります。
しかし、この方程式が絶対ということではなく、このような傾向が強いという事を理解をしてください。

初心者でキャリー復活による影響がよくわかりません。どの通貨が上がり、どの通貨が下がるのでしょうか?

キャリートレードとは、金利の低い通貨で資金調達して、金利の高い通貨で運用して利ざやを稼ぐトレード手法のことです。
その為、 市場でキャリートレードが行なわれていると言うと、金利の高い通貨(豪ドル、NZD)が買われ(上がり)て、金利の安い通貨(円、米ドル)が売られる(下がる)ことを意味します。

NZドルはどうなりますか?

金利差に素直に反応する相場、すなわちキャリーが復活すればNZDも恩恵を被ると思います。
またセミナー時にお話ししたようにNZDも南半球通貨であるため、北半球でテロや紛争があればこの点でもプラスに働くと思います。

日本のバランスシート不況は、一旦回復と見えても10年以上かかりました。
アメリカが早期回復できそうなのは、どこに違いが在るのでしょうか?

非常に良い質問です。
一番の違いは直接・間接金融の違いであると思います。
アメリカではジャンクボンドの発行も増えていることからもわかるように、直接市場から資金を調達する直接金融の国です。他方日本は銀行借り入れに依存する間接金融の国です。
この差が回復の差を生んでいるということでしょう。
また余談ですが、日本は長く簿価会計が続いた為、時価会計を採用するアメリカとバランスシート調整の対応に遅れがあるように思われます。
少しそれますが、アメリカの家計部門も今回の経済危機で痛手を被りましたが、資産価格を上げてインフレに誘導しているのは個人を助ける側面もあると言っていいでしょう。

当面、世界のためにも、中国には頑張ってもらう必要があるが、最近の中国の金融の引き締めや、株の空売り信用取引の解禁等により経済が混乱する可能性は無いか?

せミナーでもお話しましたが、08年の危機以降中国は約53兆円規模の内需拡大に動くと共に金融市場に資金を供給してきました。
逆にこのために最近では不動産バブルに代表されるように、物価も上昇に転じてきました。
中国の経済は規模も大きく非常にダイナミックである為、バブルをはじけることなくスローダウンさせる為に予防的な措置を講じることは賢明だと思います。
インフレ率も今後加速することが予想される為、信用拡大のペースを今後も抑制すると思われますが、それが直接貸し出し、預金基準金利の引き上げに繋がるとは思いません。
さらに市場ももちろんゆっくりとしたペースで自由化していかなくてはならないのですが、中国の規制緩和ペースを考えるとそれが混乱をきたすことにはならないと思います。

豪ドルが円に対して軟調なのは何故ですか?

豪ドルがトレンドとして上昇すると予想しても、利食い売り、リスク許容度の低下、また金などのコモデティ価格の下落等により一旦売られることもあるからだと思います。

豪ドルのアウトパフォームとは、豪ドル高という意味ですか?

英語でoutperformとは、ほかよりパフォーマンスが良い、通貨で言えば強くなる、高くなるという意味です。

日本が低迷するということは、円安に向かいやすいということですか?

日本が低迷すれば、誰も国力の弱い通貨(値上がりする確率の低い通貨)を買わないでしょう。通貨とは長い目で見れば、ある意味国力と一致するといっても過言ではないでしょう。

瀕死の日本の株を外国人が買って日本株が上がるという話を聞きますが、日本株は今が天井でしょうか?

世界的規模の異例な金融緩和(金余り)から上昇余地があると予想しますが、12,000程度が上値のめどであると考えます。

米国の金融資本は、政府資金を運用して復活しています。復活したアメリカの金融資本は中国政府とどのような関係を切り結ぶこととなるのでしょうか?

アメリカと中国は対立しているかのように見え実は相互に依存しあっていると私は考えます。
人民元は米ドルにペッグすることにより今回のドル安の恩恵を被りました。
又中国は増大する外貨準備でアメリカをファイナンスします。
アメリカの企業は中国に投資し、中国の企業はアメリカに輸出します。
中国にとっても実質的なドル安は困る理由がここにあります。
当面、双方の国の景気回復が確固たるものになるまで、双方で持ちつ持たれつの関係が続くと思います。
要は今の米中関係はバランスが取れているということです。
一旦このバランスが崩れると米中関係が悪化し、将来イデオロギーを代弁する代理戦争が勃発するリスクはあると思います。

アメリカ政府が購入した不良債権は優良債権に変わりつつあります。
また、アメリカは低金利を維持しつつ、出口戦略を希求することになるではないでしょうか?

おっしゃるとおりのことをFRBはしています。
"for an extrended period "長期間にわたり低金利を維持することをFRBの議事録でも表現されています。
ここで重要になるのはセミナーでもお話したとおり、「インフレ」と「雇用」が鍵となります。
この二つの改善度合いを見ながらFRBは「出口戦略」を希求しています。
しかし雇用も回復し、一旦インフレの兆候が認識されれば将来のバブルの芽を摘むために利上げに動くでしょう。

今後頼れるのは、ドル・円・ユーロ・元ではなく、最古の貨幣「金」だろうか?

国の信用低下から金が頼れるという考え方には同感です。
資産価値、インフレ懸念から金は資産として今後とも上昇すると思いますが、しかし貨幣(通貨)に取って代わるとは今のところ考えられません。