セミナーでお答えできなかったご質問の回答
ご質問 |
回答 |
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為替市場に挑む為に、ファンダメンタル分析が有効なのか、それとも、テクニカル分析が有効なのか |
プロと呼ばれる人々は全ての分析、ストラテジィ ーに精通し、また運用に活用しています。マーケットの状況、トピック(材料)によりどの分析、ストラテジィーに軸足を置くのかを決めます。また運用スタンス、スパンによっても戦略を変更します。その時々の市場に合うべく柔軟に対応したいです。また当たり前ではありますが、中長期的に為替は国力とファンダメンタルズに回帰していきます。 |
先程の仲値不足について、日本の企業には、輸出企業が多いのに、ドルを買うのですか? |
仲値は日々公示され、又オーダーも執行されます。しかし5,10日には輸入決済(不足)が多くなること、25日には輸出企業の円転(外貨売り、円買い。余剰)が持ち込まれることなどの特徴(特殊性)が在ると言うことです。一般的に輸出企業は為替の変動が企業収益に与える影響も多いため、必ずしも仲値にこだわらず活発にデイーリングをします。その際もちろんオーバーヘッジ(売りすぎ)により買戻すこともありますし、また円に対してベアー(円安)な相場観を持つのであれば売りを控える(ヘッジ率を下げる)こともあります。もちろん逆の場合もあります。 |
クロス円で一番出遅れている通貨はポンドだと思っています。先生はいかがお考えですか? |
イギリスはリーマンショック後に住宅バブルがはじけアメリカと同様に現行政策金利(0.5%)が低い状態が続いています。、又経済状況も他のヨーロッパ諸国と比べて弱くポンドが弱い状態が続いています。BOEが政策スタンスを変更するようなことがあればアップサイドのポテンシャルはご指摘のように大きいと考えていいでしょう。問題はそのタイミングです。動き出せば一方方向に動く通貨ですのでぜひその流れに乗ってください。 |
円は、東京時間で、オセアニア通貨は、SYD時間で動きやすいなどはないのですか。 |
その通貨を取り扱う参加者の大小により流動性が決まってきます。円も豪ドルも国際的な通貨で、どの市場でも広く取り扱われています。豪ドルに関してはオーストラリア国内よりアジアや日本、欧米からの投機、実需の需要が多く必ずしもSYDタイムに限定されることはありません。また「動く」と言う点で言えば円などは市場参加者が減り、市場が薄くなるNY後場に投機筋などの仕掛けにより東京市場より動くことが多いです。市場の流動性、参加者、投機のリスクアピタイト、オーダー状況等相場の動きにはこれらの要素が複雑に絡み合います。 |
米ドル・ユーロは年末にかけてどのレンジで予想してますか? |
個人的な意見ですが1.55±αであると思います。 |
日本の財政赤字が日本円に与える影響について、どう思いますか? |
新政権が赤字国債発行に動こうとしています。日本の対GDP比財政赤字は先進国のなかでも突出しており、将来日本国債の格下げにも繋がりかねません。また銀行、郵貯を経由して国債が購入されていると言うことは、間接的に我々個人が国の赤字を補填していることになります。要は個の借金を個人が肩代わりしていることになります。このように考えると円高が長く続くとは考えられません。少なくとも外国人はそう考えるでしょうし、それが自然だと私は思います。 |
7月のRBAの声明以来、次は利上げは、織り込んだのではといわれていたのに、あんなに上がるものなんでしょうか。 |
実際に利上げが行なわれると日々のスワップポイント、イールドカーブ(長期金利の動向)、株価、預金金利、債券価格と利回り等様々に影響があります。為替市場では特にほかの先進国がゼロ金利に近いレベルで金利が平準化しているために今回の利上げは影響が大きいものとなりました。さらに重要なのはRBAが「今後も金利を正常なレベルに戻していく」と言うニュアンスを市場に伝えたことです。金利差をとりにいくキャリートレードを復活することは想像に難くありません。 |
ドル売り・資源国通貨買い・コモディティ買いなどの動きはそろそろ終わりでしょうか? |
調整はあるものの、新興国を中心に経済成長(それが長いスパンを経てアフリカの成長にも繋がる)が続くため個人的にはコモディティ買い・資源国通貨買いは続くと思います。確かにこれらに反比例して米ドルは売られますが、その米ドルとて将来的に対円、スイスフラン、一部アジア通貨に対しては強含んでいくでしょう。実はアメリカも資源国ですし、FRBの出口戦略にもよりますが、金利上昇のタイミング次第では通貨間のバランスが崩れることもあり、注意深く今後の動向を追う必要があります。 |
大口投資家はどの指標を基準にストップロスをつけてくるのですか |
ご質問の趣旨に合うかどうかわかりかねますが、ストップロスに関してご説明させていただきます。ストップロスを置く側はそれぞれのリスクアピタイトやルールを基に厳格にオーダーを出します。そのためにそのレベル(レート)は自動的に決まってしまうために、持つポジシヨンのアマウント(金額)を調整することとなります。インターバンクディーラーはストップロスの執行にはそのレートが付いたか否か、オールテイクンあるいはオールギブンしたか否かもめることを避けるために細心の注意を払います。そのためストップのオーダー執行はデイーラーが市場をコントロールしやすい例えばSYD時間やNY市場の後場に行なわれることが比較的多く、またそれ故にその時間帯に市場が一方方向に動くことになるわけです。 |
ブラジル通貨の今後は? |
海外からの資本流入について規制が導入されましたが、個人的には引き続き堅調な展開を予想します。その理由として市場に資金が滞留していること、その資金が高金利を先行すること、高金利が為替変動に耐えうるバッファーになること、新興国の経済成長により資源価格が堅調であること、ブラジルが南半球であること、また人口が多いこと等が挙げられます。 |