レバレッジ型・インバース型ETF等への投資にあたっては、以下の点にご注意ください。
- レバレッジ型・インバース型 ETF 等は、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品です。
- 投資経験があまりない個人投資家の方が資産形成のためにこうしたETF 等を投資対象とする際には、取引の仕組みや内容を十分理解し、取引に伴うリスク・コストを十分に認識することが重要です。
<レバレッジ型・インバース型 ETF(ETN)に係るリスクとコスト>
レバレッジ型・インバース型 ETF 等は、指数・指標の値動きのレバレッジ倍(又はマイナスのレバレッジ倍)の値動きを日次(1日)で達成するように運用されています。
例えば、日経平均株価の日々の値動きの2倍の値動きを目指すレバレッジ型ETFは、日経平均株価が1%上昇した日には、2%の上昇になることを目指して運用されます。
しかし、日次ではなく2日以上の運用期間で見た場合には、以下の例に示すとおり、当該ETF等の価格は、参照する指数・指標の価格のレバレッジ倍にならない可能性があることに注意が必要です。
また、レバレッジ型・インバース型 ETF 等は、参照する指数・指標に連動させるため、先物取引を用いた運用を行っています。
このため、一般的にレバレッジ型・インバース型 ETF 等は先物取引コストを負担しているほか、先物取引の期限(限月)を乗り換える際に、ロールオーバー効果による損失が発生する場合があることに注意が必要です。
- こうした金融商品の取引に当たっては、取引の仕組みや内容を十分理解し、取引に伴うリスク・コストを十分に認識したうえで、自己の財産、取引経験及び取引の目的等に照らして適切であると判断する場合にのみ、自己の責任において取引を行ってください。
<例@>指数が、1日目「下落」、2日目「上昇」の場合
<例A>指数が、1日目「上昇」、2日目「下落」の場合
<例B>指数が、1日目「上昇」、2日目「上昇」の場合
<例C>指数が、1日目「下落」、2日目「下落」の場合
- 注1)中長期の期間をとった場合、一般的に株価は@やAのように上下動を繰り返すことが多く、BやCのように一方向に上昇又は下落が続くケースは少ないと考えられます。
- 注2)表は例示であり、特定の株価・レバレッジ指数の動きを示すものではありません。
実際の ETF 等の価格は、信託報酬等のコスト負担や先物市場の値動きにより、1日であったとしても「原資産の2倍」といった運用目標を達成できるとは限りません。
なお、ETF 等の市場価格は取引所において需給を反映して決定されるため、市場価格と基準価額や ETF 等保有資産の純資産価値(インディカティブ NAV)は一致しないケースもあることに注意が必要です。
- 注3)
・レバレッジ型指標は、中長期にわたって投資をする場合、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があり、留意が必要です。
・インバース型指標は、中長期にわたって投資をする場合、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があり、留意が必要です。
・原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなりますので、留意が必要です。
・コモディティ(商品)先物指数を対象とするETF等については、原資産であるコモディティ価格(現物価格)には1日の値幅制限がない一方、これらの ETF 等の価格には値幅制限があることから、相場急変時に ETF 等の価格が原資産の価格と連動しないケースが生じる可能性があります。
・信用取引と組み合わせてレバレッジ型・インバース型 ETF 等を取引する場合には、過大なレバレッジ倍率となり、投資判断を誤った場合には過大な損失を被るリスクがあるため注意が必要です。
- ※「レバレッジ型・インバース型 ETF 等」の範囲について
本資料で説明する「レバレッジ型・インバース型 ETF 等」には、「ETF」(Exchange Traded Fund、上場投資信託)に加え、特定の指数・指標に連動する金融商品である点で類似の特徴を持つ「ETN」(Exchange Traded Note)もその範囲に含みます。