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※2014/10/15現在

国旗南アフリカ共和国のご紹介

概略

地図  

国名

南アフリカ共和国

首都

プレトリア

面積

122万平方キロメートル

人口

5,298万人(2013年・世界銀行)

人種

黒人(79%)、白人(9.6%)、混血(8.9%)

言語

英語、アフリカーンス他

宗教

キリスト教(人口の80%)他

時差

日本−7時間

格付

Baa1(Moody's)/BBB-(S&P)(2014/10/15)

  • ※外務省、JETRO、BloombergのデータをもとにSBI証券が作成

歴史と政治

年月

略史

1652年

オランダ、ケープ植民地設立

1910年

「南アフリカ連邦」独立

1961年

英連邦から脱退し共和制移行(「南アフリカ共和国」成立)

1991年

アパルトヘイト(人種差別政策)関連法の廃止

1994年4月

初の全人種参加型の総選挙を実施

1994年5月

マンデラ政権(ANC:アフリカ民族会議)成立

1995年11月

全人種参加の地方選挙を実施

1997年2月

新憲法発効

1999年6月

総選挙実施、ムベキ大統領(ANC)就任

2004年4月

総選挙実施、ムベキ大統領再任

2008年9月

ムベキ大統領辞任、モトランテ大統領就任

2009年4月〜5月

総選挙実施(4月)、ズマ大統領(ANC)就任(5月)

2010年6月〜7月

サッカー・ワールドカップの開催国

経済の概況

南アフリカの名目GDP(国内総生産)は、3,573億ドル(1ドル82円換算で約30兆円)となっています。日本に対しては15分の1の経済規模ですが、「サハラ以南のアフリカ」では最大の経済大国で、同地域のGDPの約3分の1を占めています。南アフリカは、19世紀にダイヤモンドと金が発見されてから、鉱業を基盤に発展。そこで蓄積された資本を金融・製造業に再投資することで発展してきました。1996年に、金融政策や貿易の自由化と財政の健全化を推進。2001〜2010年の実質経済成長率は年平均3.5%と安定成長期を迎えました。2010年にはサッカー・ワールドカップの開催国となり、世界中から注目を集める存在となりました。

資源国としての強み

南アフリカと言えば「金」生産で有名というイメージがありますが、現在、世界における生産シェアは中国がトップ、埋蔵量シェアはオーストラリアがトップとなっており、南アフリカのシェアが特に高いという訳ではありません。ただし、電子機器や自動車等で使われ、世界的に埋蔵量・生産量が限られている「レアメタル」で、南アフリカは高いシェアを有しています。例えば、自動車の排ガス装置に不可欠なプラチナについては75%の生産シェアを有しており、パラジウム他までを含む白金族全体では、世界の埋蔵量の95%を占めています。

貿易

南アフリカの貿易を品目別に見ると、輸出では鉱物生産品、貴石・貴金属、卑金属・同製品等、資源関係が圧倒的な構成比となっています。輸送用機器や一般機械・電気機器は、輸入が輸出を大きく上回っています。このため、前述したようなレアメタルへの世界的な需要の高まりは、南アフリカの輸出拡大要因となりますが、貿易収支は市況変動に左右されやすいという側面も強いと考えられます。

通貨(南アフリカ・ランド)

南アフリカ・ランドの対円相場は2010年、前年末比3.0%の下落となりました。4月から5月にかけ、一時16%近く下げる場面もみられましたが、年後半は比較的緩やかな推移となりました。もっとも、2009年1月末の1ランド8.8円に対し、2010年末の相場は同12.24円となっており、ランドは対円で高い水準を維持したと捉えられます。
南アフリカは、実質長期金利(10年国債利回りから消費者物価上昇率を差し引いた数値)が2011年4月12日現在で5%に達しており、ブラジルほどではないにせよ、世界的には高水準となっています。このため、その通貨であるランドには根強い買い需要があると考えられます。加えて、資源国であるため金相場(1トロイオンス1,400ドルに乗せるなど上昇基調を辿ってきた)に支えられている面もあると考えられます。

消費者物価でみたインフレ率は、2008年8月の前年同月比+13.7%から、月を追って低下し、2010年9月には+3.2%まで鈍化しました。同じ期間に長期金利の低下幅は1%未満にとどまったことから、逆に実質金利が上昇。そのことが2009年以降の対円でのランド相場を高水準で支えたと考えられます。

南アフリカの2010年実質GDPは2.8%の成長となりました。四半期別成長率(前年同期比)は、第1四半期1.7%、第2四半期3.1%、第3四半期2.7%、第4四半期3.8%でした。後半にかけて成長率が加速する形になりました。
同様に実質小売売上高も基本的には増加傾向を維持。また、消費者物価上昇率(前年同月比)も、昨年9月に3.5%でボトムを付けた後、本年2月には3.7%と再上昇の兆しを見せています。

市場(Bloomberg集計の市場コンセンサス)では2011年末に、消費者物価上昇率が5%台半ばまで上昇すると予想されています。南アフリカ準備銀行も年間消費者物価上昇率を2011年4.6%、2012年5.3%と想定しています。食料品と燃料の価格が上昇傾向にあるためで、これを受け、南アフリカ準備銀行は、政策金利の引き上げに転じると予想されています。これまで南アフリカ準備銀行は、リーマンショック後の景気下支えとランドの急速な上昇防止を目的に、政策金利を引き下げ(2008年12%から現在5.5%)てきました。仮に2011年中に、政策金利の引き上げが実施されれば、金融政策の転換を意味することになります。

ただ、国民の4人に1人が失業しているという現状があり、準備銀行としても景気の減速は避けたい所だと思われます。その舵取りは決して容易ではないと考えられます。

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