※2014/10/15現在
中華人民共和国の紹介
概略
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歴史と政治
年月 |
略史 |
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1911年 |
辛亥革命がおこる |
1912年 |
中華民国成立、清朝崩壊 |
1921年 |
中国共産党創立 |
1949年10月1日 |
中華人民共和国成立 |
1966年 |
文化大革命開始。劉少奇、鄧小平らが失脚(~76年) |
1972年9月29日 |
日中国交正常化 |
1979年1月 |
アメリカと国交正常化。アメリカでは台湾関係法が成立 |
1992年 |
鄧小平が南巡講話を発表する |
1997年7月 |
英国から香港の主権が返還される |
2008年8月 |
北京五輪開幕 |
2010年5月~10月 |
上海万博開催 |
- ※外務省、JETRO、BloombergのデータをもとにSBI証券が作成
経済の概況

- ※BloombergのデータをもとにSBI証券が作成
先進国はもちろんのこと、BRICsに代表される新興国の中でも圧倒的に高成長を続けている中国。13億人という世界最大の人口大国である同国は、昨年、世界第2位の経済大国となりました。しかし、国内には都市部と農村部との所得格差や、環境・エネルギー問題、インフレ問題、人権問題、福利厚生問題など多くの問題を抱えており、数字上だけでなく、名実ともに先進国になるためには多くの課題があります。
3月14日に北京で開かれていた中国の第11期全国人民代表大会が閉幕しました。その中では同国が5年ごとに策定している第12次5ヵ年計画(2011~2015年)について話し合われました。
その目標の中で、今後5年間(2011~2015年)の実質GDP成長率は年平均約7%と発表されました。第11次5ヵ年計画の目標は同7.5%成長だったことや、同実績値が11.5%だったことを考えると、やや控えめな目標に見えますが、これからは「成長の質」を追及しようとする同国政府の考えが読み取れます。
また、成長率のほかにも技術水準・エネルギー効率の向上や環境対応、所得格差の是正、平均所得の引き上げ、都市化の推進などを進めることで平均所得を引き上げる方針が示されています。
インフレ問題を金融政策でうまく解消しつつ、成長重視から安定重視への「経済発展モデルの転換」を進めることができるかどうかに世界中の注目が集まっています。
貿易

- ※JETROのデータをもとにSBI証券が作成
2008年9月のリーマンショックにより、震源地の米国だけでなく世界各国が景気後退に見舞われるなか、中国経済も例外なく減速を余儀なくされました。その結果、2009年における中国の対外貿易総額は前年比13.9%減の2兆2,072億ドルとなりました。うち輸出は同16.0%減の1兆2,017億ドル、輸入は同11.2%減の1兆56億ドルとなり、それぞれ減少しました。同国の貿易統計において、輸出入の年間総額が前年割れとなるのは、輸出では1983年以来、輸入では1998年以来のこととなります。
しかし、同国以上に他国の減速・減少が顕著であったため、同国の輸出総額は前年割れながらもドイツを抜き1位となりました。
2009年の輸出における主要輸出相手国・地域をみると、1位はEU で前年比19.4%減の2,363億ドル、2位が米国で同12.5%減の2,208 億ドルとなっています。あまり知られていないことですが、中国の最大の輸出先はEUであり、人民元の対ユーロにおける人民元高が今後の貿易にどのような影響が出るのか、注目が集まっています。また、3位の香港に次いで4位にはASEAN がランクインしており、ついにASEANが5位の日本を上回りました。
通貨(中国・人民元)

- ※BloombergのデータをもとにSBI証券が作成
2010年6月21日、中国の中央銀行である中国人民銀行は「人民元相場の弾力性を強化する」という声明を発表しました。その後、人民元は対ドルで緩やかに切り上がり続けていますが、人民銀行は、あらかじめ「相場に影響を与える大幅な切り上げは行わない」と牽制しており、依然として適宜介入を行いながら、過度な元高が進行しないようにコントロールしています。
しかし、昨年より中国ではインフレ抑制が課題となっているため、今後も緩やかな元高を黙認する可能性があります。中国のインフレは内外に要因が存在しており、外部要因としては原油をはじめとする商品市況高、内部要因としては急速な賃金の上昇などが挙げられます。それぞれに適切な対処が求められますが、インフレの外部要因においては、通貨高に誘導することで輸入価格を下げ、輸入価格の下落からインフレ抑制につなげる通貨政策が考えられます。
人民元相場は、昨年の6月以降、直近の4月初めまでの10ヵ月弱の間に米ドルに対して約4%上昇しています。人民元高が輸出競争力の低下に繋がりかねない中国の輸出企業にとって、年3%がひとつの許容範囲として考えられていたため、これ以上の人民元高は中国政府が阻止するように思えますが、原油価格が1バレル=140ドルを超えた2008年には人民元の対ドル相場は半年間で6%以上上昇しており、足元の商品市況高を考えると、今後も現在の切り上げペースを維持しながら、人民元は切り上がっていく可能性が大きいと期待されます。